2011年06月19日

第一の目的を忘れずに

職場に馬の合わない同僚がいる。
上司が私を嫌っているような気がする。
鼻持ちならない後輩がいて、癪に障る。
ああ、もっとよい人間関係に恵まれていれば、楽しく仕事ができるのになあ……。

そういう不満にうつうつとしたときは、「何のために仕事をするのか」という第一の目的に立ち返ってみよう。
仕事の目的は、まず何よりも、「生活の糧を得る」ことだ。
ほかにも「良好な人間関係を築く」「世の中の役に立つ」など、人によって目的はいろいろあるかもしれないが、それらはあくまで付随的なものだ。

「収入を得られない」という事態に陥らないかぎり、それほど深刻に悩む必要はない。
仕事は、人と仲よくするためではなく、自分の暮らしを立てるためにするものだ。
仲のよい友達を見つけたいなら趣味のサークルにでも入ればよいし、他人の役に立ちたいだけなら無償でボランティア活動をすればよい。

同僚と仲が悪くても、上司が評価してくれなくても、責任をもって仕事をし、定められた給料をもらっていれば、目的は達成しているのだから十分だ。
自分が、ほかでもない自分の利益のためにやっているのだから、他人が協力的でないといって文句を言うのは筋違いである。

大学に通う第一の目的は、勉学に勤しむことだ。
勉強さえしていればよいというものでもないが、「友達ができないから、大学に行ってもつまらない」と考えるのは順序がおかしい。
自分の学びたい学問を学べることの意義に較べれば、それ以外の悩みはささいなものである。

わざわざ友達をつくるために安くない学費を払っているわけではない。友達と遊ぶことは二の次に考えておけばよい。
そもそもの問題は「友達ができないこと」ではなく、「たいした目的意識もなく漫然と進学したこと」にある。何のために大学に通うのかという原点から見直す必要がある。

第一の目的を果たせられない事態に陥ったなら真剣に悩むべきだが、それ以外の問題によって本来の目的さえも投げだしてしまうのは、まったく本末転倒だ。
あれもこれもと欲張っていてはきりがない。
目的を一つにしぼり、本来の目的が達せられたなら、それでよしとしなければならない。

(文・たかたまさひろ)
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