2011年05月29日

自分はいいことをしている?

いいことは、もちろんするべきだ。
だが、「私はいいことをしている」と思ってはいけない。

「私はいいことをしている」と信じ込んでいる人ほど始末に負えないものはない。
そういう人は、感謝してもらえなかったり、報われなかったりすれば、今度は他人を恨むようになるのだ。
結局、自分のことしか頭にないのである。

いいか悪いかは、主観にすぎない。
自分は他人のためによかれと思ってやったことでも、相手にとってはありがた迷惑であるかもしれない。
相手は、たとえありがた迷惑と感じていても、ふつうは社交辞令で「ありがとう」の一言ぐらいは言うものだ。礼を言われたからといって真に受けるのは早計だ。
ましてや、感謝してくれないといって憤るのは、独善以外の何ものでもない。

また、相手が本当によろこんでいたとしても、それがかえって害悪となってしまう場合もある。
人をほめれば、ほめられたほうは気分がいいだろうが、ほめられてばかりいると増長しておごり高ぶった人間になってしまうかもしれない。
人の手助けばかりしていると、相手は「誰かが代わりにやってくれる」と思い込んで、自分から動こうとしない怠け者になってしまうかもしれない。

自分はいいことをしているつもりでも、それが本当に「いいこと」だとはかぎらない。
だからといって、何もしなければいいというのでもない。
私たちは、自分が「いいこと」だと信じることをやるしかないのだ。

人のためになることは、するべきだ。
ただし、それが本当に相手のためになったかどうかは、誰にも分からない。
「いいこと」は、他人のためではなく、「自分がいい気分になりたいから」「自分が人に好かれたいから」やっているだけだ、と思いながらやるのがよい。

(文・たかたまさひろ)
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