2011年04月25日

マッチ売りの少女

マッチ売りの少女は、小さな炎の中に美しい夢を見て、口元に笑みを浮かべながらあの世に旅立った。

マッチをすったからといって、現実が変わったわけではない。
しかし、少女が「ああ、何もいいことなんかなかった」というむなしい絶望だけを抱いて死んでいたら、それこそ救いようのないみじめな人生だっただろう。

マッチ売りの少女は、どんなにつらい目にあっても、最期まで自分を見捨てなかった。夢を見ることで現実に敢然と立ち向かった。
道行く人々は少女を憐れみの目で見ていたが、少女はそんな視線をものともせず、「私が幸せかどうかは、私が決める」という信念をつらぬいた。

生活に不自由はなくても夢も希望もない人生を送っている人と、不自由な中でも明るい夢を見ていたマッチ売りの少女とでは、はたしてどちらが幸せといえるだろうか。

(文・たかたまさひろ)
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