2010年07月07日

嫌なことがあったら

嫌なことがあったら、そのときだけ嫌な思いをすればよい。
何も後から思い出して、ムカムカを反すうすることはないんだ。

生きていれば、嫌なことは必ず起こる。それは避けられない。
しかし、一日のうちで考えれば、嫌なことの起こっている正味の時間は、百分の一くらいのものだろう。
憂鬱な気分を引きずってしまうのは、「ああ、悔しいなあ」「あんな奴は許せない」などと、心の中で嫌なことをよみがえらせてしまうからだ。

にごった水は、ほうっておけば汚れは沈殿して、いずれ澄んでくる。
わざわざかき回してにごらせてしまうことはない。
いったい不幸な人とは、「嫌なことばかりが起こっている」のではなく、「嫌なことばかり考えている」人のことなのだ。

「きのう嫌なことがあった」
それはもうすぎたことで、いま起こっているわけではない。
「あした嫌なことがあったらどうしよう」
それはまだ先の話で、どうなるか分からない。

嫌なことがあったら――。
その一瞬だけ、嫌な思いをすればよい。
いまは起こっていないのだから、気にすることはないんだ。

(文・たかたまさひろ)
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